ブツブツ言うようになった私
生前、歳をとった父はテレビや新聞を見ながら、よくブツブツと文句を言っていました。「けしからん」とか「日本はどうなってしまうんだ」とかです。「ウチの茶の間で、ブツブツ言ってもしょうがないよ」と横で聞きながら思っていました。そして「こういう年寄りにはならないようにしよう」と思っていました。あれから大分、時が経ちました。私はすっかりそういう年寄りになっていました。
父と違うのは、父は物事の本質について腹を立てていたようですが、私は伝える側の表現が、気になって仕方がないのです。今日はそういう些末な話しです。
ニュースなどで「当分、目が離せません」とか「目が離せない状況が続きます」と言った直後に、にこやかに全く違った話題になるときがあります。「目が離せないと言ったばかりじゃないか」と憤るのは、私だけではないでしょう。
コメンテーターと言われる人たちの、決まりきった言葉も気になってしまいます。
「ここだけの話し…」(テレビで、ここだけ…はないでしょう)。「変な話し…」(普通の話しが多いです)。「要するに…」(要約しないときが多いです)。「ある意味…」(どんな意味かわかりません)…。
どうでもいいことのような気がしますが、「あ~、またお決まりの言い方だ」と今日もひとり、テレビの画面に向かってブツブツ言っています。
今日の切り絵は、ブツブツ言う後ろ向きのパンダです。
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