雁の群れ

今の時期(4/9～13)は、旧暦の七十二候(しちじゅうにこう)のなかで、「鴻雁北る(こうがんかえる)」といいます。雁の群れが北へ渡っていく頃です。さて雁が移動するとき、なぜ「Ｖ字型隊列」で飛行するのか知っていますか？

それは、前で飛ぶ雁が翼を動かすと、後からついてくる雁のための上昇気流が作られ、後続の雁は楽に飛ぶことができるからです。そのかわり後ろの雁は、ガーガー鳴いて前の雁を励まします。なんと、Ｖ字型隊列で飛ぶと、一羽で飛ぶよりも７１％もさらに遠くまで飛べるそうです。

そして、雁の隊列は、先頭の雁が疲れると、最後尾に回り、別の雁と交代します。そのようにするなかで、雁の群れでは、先頭に立とうと争うこともなく、最後尾だからといって劣等感をもつこともないそうです。

また、雁が病気やケガをして、隊列から脱落すれば、二羽の他の雁が、その雁と一緒に隊列から離れ、その雁が地上におりて行くときまで手助けして保護するそうです。一緒に行った二羽の雁は、脱落した雁が回復するか、死ぬまで、一緒にいます。その後、二羽の雁は空に舞い上がって、新しい群れに加わるか、独自の隊列を作って元の群れに追いついていきます。

立派です。雁の群れを見たら、心がきれいになりそうです。

今日の切り絵は、雁の群れです。