サスペンスドラマを見るたび思い出すこと
大学生の頃だったと思います。母と一緒に火曜サスペンス劇場を見ていました。
この手のドラマでは、しばしば崖や桟橋から人が落ちて殺人事件が起こります。その時も、人が崖から落ちていく様子を、二人でボーっと見ていました。
テレビを見ながら、母が言いました。「お前、知っているか? 今、落ちたのは人ではない。人形だよ」。
私は「当たり前でしょ」と思いました。本当の人が落ちたら死んでしまいます。
私が答えずにいたら、母は続けました。「よく覚えておきな」。
「ああ」と私は答えました。
「なんにも知らないんだね。バカだね、お前は」と母は言いました。
それだけの話しです。
サスペンスドラマを見るたびに思い出します。
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