サスペンスドラマを考察します
前回とテーマは同じ。私は再放送のサスペンスドラマを観るのが好きです。なんか落ち着きます。殺人事件を描く番組なのに、「落ち着く」というのは不謹慎ですが、日本各地の名所旧跡も見ることができるし、殺人シーンもあまり痛そうではないからだと思います。この類の番組は、物語展開がパターン化されているように思います。水戸黄門や大岡越前と同じです。決まりごとがあり、形式美さえ感じてしまいます。今日はそんなことを話します。
① 主人公(探偵役)の職業について
思いつくままに挙げてみます。○警察官 ○探偵 ○弁護士や検事 ○ジャーナリストor出版社勤務 ○その他(家政婦 医者 主婦 温泉のおかみ 添乗員 作家 葬儀屋…)
探偵役に、普通のサラリーマンや普通の公務員、スポーツ選手や議員は少ないように思います。
ちなみにお金持ちの議員が出てきた場合、「その人は悪い人だ」と思ってほぼ間違いありません。
② 被害者の数
「謎の連続殺人」とかサブタイトルが付くことがありますが、殺されるのは、概ね2名から3名が相場です。初めに殺された人がいて、それを不幸にも発見してしまった人も、口封じの“とばっちり”で殺される”というパターンが多くみられます。
これは被害者が1名だと、ずっとその謎を解いていくしかないので、脚本がよっぽどしっかりしていないと、ダラダラして、視聴者が飽きてしまうからだと思われます。
逆にあまりに多いのも考えものです。「おいおい、またかよ」とこれも視聴者は飽きてしまいます。また、視聴者は以前、自分がいったことのある観光地が舞台だからと、そのドラマを見ている人も多いと思われ(私がそう)、大量殺人を望んでいるわけではありません。
③ 捜査方法
警察官の場合は、単独行動が好きな一匹狼型と、 社会派を意識した捜査班による集団行動型に分かれます。しかし主に活躍する人は数名であることは共通しています。これは集団捜査型でも、いちいち一人一人に焦点をあてていたら、2時間枠に収まり切れないからだと思います。
④ 事件が起きるとき
警察官や弁護士、検事は既に事件が起きてから登場しますが、それ以外の職業の人は、たまたま事件に出くわすときが多いです。シリーズ化された作品だと「なんでお前は、そんなに事件に出くわすんだ」と突っ込みをいれたくなります。しかしそれはそのテレビを見ている自分自身が、その原因を作っているという自覚が足りません。皆が見るからシリーズ化され、その結果として、探偵役は「出くわす」のです。
⑤ 人間関係
ドラマ内の職場の上司には「人間性がいまひとつ」、「仕事ができない」というパターンが多いです。これは優れた人間性と能力を併せ持つ上司がいると、主人公は愚痴をこぼす必要がなく、ドラマにしにくいからでしょう。
⑥ 事件が解決する場所
犯人が自白する場所は、ひとけの少ない観光名所が多いです。実際には警察署内がほとんどだと思うのですが、あまりありません。やはり、事件が解決する場所には断崖絶壁の名所が似合います。
断崖絶壁でなくとも、観光名所であることは必須です。「自分が行ったときは、観光客でいっぱいだったけどなあ」と思うのは野暮というものです。
0コメント