映画「The Father」 俳優 アンソニー・ホプキンス
前回、アカデミー賞主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンドを描きました。
では、そのときの主演男優賞は誰だったのか。映画「The Father」の主演 アンソニー・ホプキンスです。当時御年83歳。彼の主演男優賞の受賞は、「羊たちの沈黙」(1991年)に続き2回目です。
「羊たちの沈黙」は、作品賞を受賞した唯一のホラー映画ですね。そして、映画「The Father」の彼の演技は、「羊たちの沈黙」を凌ぐものだったと思います。
アンソニー・ホプキンスは認知症がすすんでいく父親役を演じています。
「妙なことばかり起こる」と作中、彼は何度も呟きます。知性の人が迷宮に迷い込んだようでした。しかし妙なことは起きていませんでした。それは認知症の症状。現実と幻想の境界線が彼の中で崩れていきます。
観ていて辛い映画ですが、人間の尊厳と存在理由を問う、傑作だと思いました。
今回の切り絵は「混乱している人間の表情とはどんなものか」と考えながら作りました。老いの哀しみについても表現したいと思いました。
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