三遊亭円楽さん(6代目)について
今日の切り絵は三遊亭円楽さん(6代目)です。好きな落語家さんでしたが、残念なことに、昨年お亡くなりになりました。
魅力的な人だなと思っていました。笑点では「インテリ」、「腹黒」、「友達がいないキャラ」でしたが、実際は気働きができる、公私共に交友関係が広い方だったそうです。春風亭昇太さんが司会に就任してからは、司会の座を奪おうとするネタを多用しましたが、本人は自ら司会をやることに対しては否定的だったそうです。大喜利メンバーの先輩である桂歌丸さんとは罵倒合戦を繰り広げていましたが、二人の仲は良く、長年に渡る関係から、円楽さんの歌丸さんへ対する尊敬の念は大きかったそうです。そういう姿勢や魂は、実に格好いいと思います。
2022年国立演芸場での8月20日の高座が、公の場で見せた最後の姿となりました。彼が最後に披露した演目は以下のようなあらすじでした。
落語「目薬」 : ある男が、目が霞んでしょうがないので近所の薬屋に行った。「この薬がよく効きますよ。効能書きをよく読んで服用してくださいね」と店主に言われた。さてこの男、字が読めない。でも効能書きが読めないと言うのも恥ずかしいから、そのまま金を払って帰った。男は苦心しながら読みすすめた。すると「めじりにさすこと」と書いてある。これを「女・・尻・・にさすこと」と読み違え、おかしいとは思いながら、女房を呼んで尻をまくれと言った。
円楽さんは「これが最期の噺となるかも」とは思っていなかったでしょう。人間の可笑しさとか哀しさについて考えさせられます。
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