『初心忘るべからず(作者 世阿弥)』について~開店1周年の日に
『初心忘るべからず』。誰でも知っている名言ですね。全文を紹介します。
しかれば当流に万能一徳の一句あり。
初心忘るべからず。この句、三ヶ条の口伝あり。
是非とも初心忘るべからず
時々の初心忘るべからず
老後の初心忘るべからず
この三、よくよく口伝すべし。
現代語にするとこんな感じでしょう。
観世流に全てに通ずる一句がある。
それは「初心を忘れない」。この句には3つの口伝がある。
是非とも、修行を始めたころの初心を忘れないように。
各々の時期において、初心を忘れないように。
老後に及んだ後も、老境に入った時の初心を忘れないように。
この三つは、しっかり伝えていくべきことだ。
大学時代、剣道部の面手拭いには青い生地に『初心』と書かれていました。剣道部の部長先生が書かれた文字です。大学の学長・総長まで務めた方で、私たち部員にとって畏れ多く、まるで神様のような人でした。私たちが大学を卒業し、社会に飛び立つとき、先生は「人生では何回も新人になるから、初心を忘れるな」と仰いました。
初老となり、この意味がしみじみわかります。確かにこれまで、社会人になったときも、人の親になったときも「新人になった」と思いました。
この1~2年間に限って振り返ってみても、やはり幾つか、新人になりました。給料をもらう仕事を辞めて、「カフェのマスター」の新人になったこと、孫が産まれ、「じいちゃん」の新人になったこと…。
「おうちカフェさんちゃん」もおかげさまで2年目を迎えました。これからも初心を忘れず、頑張りたいと思います。
そして、これからも何回も新人になることを楽しんで、生きていきたいと思います。
0コメント