相応しくない表現

今年の夏、テレビで某大学の運動部員が逮捕された問題について、同大学の理事長、学長、副学長が記者会見を開いているのを見ました。一日も早く信頼を回復してもらいたいと思います。

作家でもある理事長の発言に注目が集まりました。「体制の欠陥の指摘を謙虚に受け止める」。全くそのとおりだと思いました。理事長は学長より強い権限があります。理事長は、民間企業で言うところの『社長』ないし『CEO』に当たります。この大学では理事長が経営面のトップ、学長が教学面のトップです。副学長はそれに次ぎます。

気になったのは、理事長が「父兄」という表現を繰り返していたことです。今、教育関係者で「父兄」と言う人はほぼ皆無です。大きな教育組織のトップである理事長が、就任1年を超えて、まだその表現を繰り返すことは驚きでした。周囲の大学関係者で「その表現は、現代においてふさわしくないですよ」と理事長に教えてあげる人はいなかったのか。そして理事長は教育に携わる者として、そんな基礎的なことにも気付かなかったのか。この組織で大学内の教育改革が本当にすすむのかと思います。

以下に「NHKことばのハンドブック」からの引用を載せます。

「父兄」は単純に父と兄を指すのではなく、児童や生徒の保護者の意味ですが、今では学校でも「親」「保護者」「父母」を用いています。「父兄会」についても、「保護者会」「父母会」などが用いられていますが、「保護者会」のほうがより一般的な表現になっています。文科省も文書用語として「父兄」を「保護者」としています。「男女平等」「離婚の急増」「家庭内の父親不在」など時代の流れの中で、「父兄」や「父兄会」も時代にあわない形の表現になっています。

なお、大学にも準用されています。

おうちカフェ さんちゃん

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