「葭始めて生ず(あし はじめてしょうず)」&「人間は考える葦(あし)である」
「葭」も「葦」も「あし」と読み、同じ植物です。
今の時期(4/19~20)は、旧暦の七十二候(しちじゅうにこう)のなかで、「葭始めて生ず」といいます。水辺に葦が芽吹き始める頃です。
そして「葦」といえば哲学者パスカル(1623~1662年)の遺稿集「パンセ」に残した言葉『人間は考える葦である』を思い浮かべます。この言葉をもう少し長く、原文から抜粋して紹介します。
『人間は一本の葦にすぎない。自然の中でもっとも弱いものである。だが、それは考える葦である。これを押しつぶすには、全宇宙が武装する必要はない。(中略) 宇宙は何も知らない。我々の尊厳の全ては考えることにある。我々が立ち上がらねばならないのは、正にそこからであり、我々が満たすことのできない時間や空間からではない。だから、よく考えるように努めようではないか。そこに道徳の原理がある』。
何を言っているのでしょう? つまり、人間は自然界のなかで最も弱い存在(葦)です。でも、風になびく葦のように、しなやかに運命に身を任せ、不屈の意志と思索を持ってさえいれば、どんな嵐も乗り越えることができるし、精神の自由を手に入れることができる。そんな意味です。
強い風(困難)に吹かれるとき、思い出す言葉です。
今日の切り絵は、「葭」or「葦」です。
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