藤の花の魅力
今日の写真は、朝の散歩の途中に見つけた藤の花です。
藤の花の魅力は、だらりと咲き垂れるところです。ダラ~っとした感じが好きです。以前の勤め先の中庭には、立派な藤棚があり、いつもこの時期、藤の花がだらりと咲いていました。仕事に疲れたとき、この花のように、ダラ~っとしたくて、よく見に行ったものです。
こんな句があります。
『くたびれて 宿かる頃や 藤の花 (松尾芭蕉1644年~1694年)』
旅をしていて、長い一日を歩き疲れて、とぼとぼと足を引きずっています。ようやく宿にたどり着こうという時にふと見ると、いつの間にか暮れた夕暮れの中に、紫の藤の花がだらりと咲き垂れていました。疲れきった芭蕉の気だるい気分と、だらりと覚束(おぼつか)なく垂れ下がった藤の花の感じとが溶け合います。この藤の花は気だるい心の表れです。
「あ~っ、芭蕉の気持ちがわかるなあ」と思います。
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