映画『室井慎次 敗れざる者』を観て
“敗れざる者”という言葉に惹かれ、観に行きました。ネタバレあり。ご注意を。
(あらすじ等) ※この映画は前後編の前編です
○ 今の生活 ⇒ 室井慎次(柳葉敏郎)は警察を辞め、故郷の秋田で高校生の森貴仁(齋藤潤)と小学生の柳町凛久を里子として迎え、一緒に暮らしていた。ある日、家の前の湖で、遺体が発見された。それは20年前のレインボーブリッジを封鎖できなかった事件の容疑者の瀬川だった。瀬川は2年前に出所後、再び犯罪を繰り返していた。
○ 少女の出現と少年の悲しい過去 ⇒ ある日、室井は衰弱した少女・日向杏(福本莉子)を看病した。杏に秘密があった。杏は一見、誠実に見えたが、室井を陥れようとし、貴仁や凛久に「室井は金のために里親になった」等と嘘をつく。しかし程なく、2人は室井への信頼を取り戻す。
ある日、新米弁護士の奈良育美(生駒里奈)が現れ、貴仁に彼の母親を殺した犯人の謝罪を受け入れてほしいと頼む。貴仁は室井と共に拘置所へ行き、犯人と対面。彼は母を侮辱された過去と向き合い、毅然とした態度で犯人に立ち向かう。
○ 捜査協力と家族の絆 ⇒ 室井はかつて対立した新城賢太郎(筧利夫)に呼び出され、捜査の協力を求められる。家に戻ると、貴仁は「ずっとここにいていい?」と室井に尋ねた。「いたいならいろ」と不器用に快諾した。そしてその時、家の隣で火災が発生。杏がその場に立っていた。
○ 青島の登場は? ⇒ 『踊る大捜査線』の青島(織田裕二)は残念ながら登場しない。しかし『踊る大捜査線』の過去映像は頻繁に流れるため、シリーズのつながりを感じることはできる。
(感想等)
室井は「現場が捜査をしやすいように警察組織を変える」という青島との約束を果たすために、警察庁組織改革審議委員で5年間頑張りました。しかし何も変えられず委員会は解散。「俺は敗れた。負け犬だ」。そう考え、定年前に辞職しました。故郷の秋田に戻り、高校生と小学生の里親として生活をしています。彼は警察キャリアとして組織を変えることはできませんでしたが、事件で心の傷を負う子供たちに手を差し伸べています。彼を敗者なのか。いや、彼の精神は、間違いなく「敗れざる者」です。
『踊る大捜査線』の頃から、室井は常に悩んでいる男でした。そして反骨心で生きています。彼は大きな挫折をしましたが、自分の価値観で生き、心は闘い続けています。
忘れられない悔しさを引きずりながら生きている人間はいます。それで仕事を辞めてしまった人も結構いるでしょう。室井はかつてこんなことを言いました。「私は警察を去る。警察にいては真実を知ることができないからだ。私はこの事件の真実を知りたい。真実を闇に葬ってはならない。何人もの人が傷ついている」。
私もかつて、定年前に早期退職しました。「室井慎次の気持ち、わかるなあ」と映画を観ていて、思うことしきりでした。「敗れざる者」という言葉は、長い間、私の心の中にありました。自分を生きるために、室井のように闘い続けたいと思いました。
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