映画『室井慎二 生き続ける者』を観て

(あらすじ) ※ネタバレがあります。ご注意ください

前半『敗れざる者』のラストの場面、室井家の倉庫から火事が勃発したところから物語は始まる。

彼は、故郷の秋田で高校生の森貴仁(タカ)と小学生の柳町凛久(リク)と、猟奇殺人犯の娘の杏を里子として迎え、一緒に暮らしていた。子どもたちの両親は皆、犯罪に関わっており、身寄りがなく、室井が面倒を見ていた。さて火事は、警察で監視カメラを見て、杏が犯人であることが判るが、室井は杏を問い詰めたりはしなかった。徐々に杏も室井の情の厚さを感じるようになっていった。

そんななか、室井の功績により、一つの殺人事件が解決する。秋田県警察本部長は、秋田県で室井が構想した警察改革を実現すると約束した。

その後は、共同生活(家族)の物語となる。ある日、リクの父親が出所して室井の家にやってきた。児童相談所は父親の改心した様子を見て、室井にリクを引き渡すように言う。室井は父親に二度とリクに暴力をふるうなと約束させ、リクを送り出す。

しかし数日後、リクはボロボロの状態で室井の家に戻ってくる。また父親が暴力を振るったのだ。

翌日、父親が室井家にやって来て「リクを返せ」と言う。室井は拒み、大騒動になる。タカと杏の機転により、近所の交番より巡査がきて、父親は逮捕された。

しかし、大騒動に驚いた飼犬が遠くへ逃げてしまった。室井は犬を追って吹雪の中へ出かけた。翌朝、雪の山林で心肺停止の室井が発見された。彼は重篤な狭心症だった。多くの人が供花にやって来た。タカ、リク、杏は、かつて室井が話したように、この家を不遇な子どもたちの場所にしようと考える。

ラストシーン。青島(織田裕二)が、今は亡き室井の家にやってきた。そして物語は終わる。

(感想など)

「人は死ぬときに、一生で何を残せたと実感できたら本望なんだろう?」と鑑賞後にしみじみ思いました。「組織を辞めた人間が、残った人間に残せるものはあるのかなあ?」とも思いました。そして「その人の生き方や考え方といったものを残せたら幸せだろうなあ」と思いました。“人を残す”とか“自分が信念にしてきたものを組織に残す”ということだと思います。

主人公の室井の死で物語は終わりますが、タイトルは『生き続ける者』です。「なるほど」と納得しました。

室井は、仕事に挫折して警察を辞め、忘れられない悔しさを引きずりながら生きていた初老の男です。彼の生き方からは、前線から退いた人間の哀愁を感じました。そして同時に、その人間の揺るがない熱さ、強さを感じました。若い人が観ても十分楽しめますが、私のような年代の人間が観ると、「これからどうして生きていこう」と考えさせられる作品です。

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