冬の朝に散歩をしていて思い出す一節

朝、愛犬と散歩をしていて、公園でひと休みをします。

そのとき、夏目漱石の小説『こころ(1914年)』の以下の一節をよく思い出します。私にとって冬の風景描写といえば、これですね。

『割合に風のない暖かな日でしたけれども、何しろ冬の事ですから、公園の中は淋しいものでした。ことに霜に打たれて蒼味(あおみ)を失った杉の木立の茶褐色が、薄黒い空の中に、梢(こずえ)を並べて聳(そび)えているのを振り返って見たときは、寒さが背中へ噛(かじ)り付いたような心持がしました。』

日本の誇る文芸小説の、クライマックス場面直後の情景描写です。“先生”は「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」と友人の“K”に非常に残酷な言葉を、歪んだ心で、あえて言い放ちます。“K”は「僕は馬鹿だ」と力なく言い、「覚悟ならない事もない」と、独り言のようにつぶやきました。友人二人の間に流れる寒々とした雰囲気を見事に表しているなあと、初めて読んだとき思いました。

今回は、あらすじ紹介などは省略しますね。

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