山吹(やまぶき)の花
庭の山吹の花も見頃を迎えています。今日の写真です。山吹の花といえば、以下の話が有名ですね。
ある日、有力な武将、太田道灌(1462年~1486年)が部下と狩りに出かけたところ、突然の雨に見舞われ、農家で蓑(みの:雨や雪を防ぐ外衣)の借用を申し出た。
応対に出た若い娘はうつむいたまま、山吹の一枝を差し出すのみ。事情が分からない道灌は「自分は山吹を求めているわけではない。蓑(みの)を借りたいのだ」と声を荒げるが、娘は押し黙るのみ。
しびれを切らした道灌はずぶ濡れになって城に帰り、古老にその話をした。
すると、古老は「それは平安時代の古歌に“七重八重(ななえやえ) 花は咲けども 山吹の 実の一つだに 無きぞ悲しき”という歌があり『蓑』と『実の』を懸けています。貧しい家で蓑一つも無いことを山吹に例えたのです。殿はそんなことも分からなかったのですか」と言われた(短歌の意味など:七重八重に花は咲いているけれど、山吹が実の一つさえもないように、蓑一つさえもないのは悲しいことです。[兼明親王の作品 後拾遺和歌集に収載])。道灌は自らの無学を恥じ、その後、和歌に精進し、立派な歌人となった。
これは、謙虚な心をもつ武将が、浅学を反省し、すぐに勉強を始めて、歌人としても大成したという逸話です。戦前の教科書には載っていたそうです。
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