笑ってはいけないときなのに
神妙な顔をするべきときなのに、些細な可笑しな事態が起きて、不覚にも、笑ってしまったことはないですか。今日はそんな話しです。
四半世紀前、私の母が亡くなったとき、孫である小学生の長男は、葬儀に参列していました。彼は、数珠をもてあそびながら退屈を紛らわしていました。少し嫌な予感がしましたが、小学生には、つまらない時間に違いなく、「まあいいか」と放っておきました。すると、お坊さんの読経が流れるなか、“プツッ”と小さな音。長男がもてあそんでいた数珠の紐が切れ、珠がザーッと床に散らばりました。「お父さん、ごめん」。「いいから、そっと拾え」。
気まずい時間が流れました。親戚のおじさんが怒気を含んだ声で、「何をやってんだ、坊主!」と長男を叱りました。そして運悪く、その声は“本物の坊主”にも届いてしまいました。坊主は無実です。でも、自分が叱られたと思ったに違いありません。無関係の坊主は、慌てました。そして瞬間、読経が止まりました。
葬儀が終わっても、長男は反省しているようでした。「気にするな。ばあちゃんも、棺桶のなかで笑っていたと思う」と私は答えました。
今日の切り絵は、お坊さんです。
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