世捨て
「世捨て人」とは、普通の社会生活から抜け出し、人間関係やしがらみを断ち切って、世間との交流を避けて生きる人のことだそうです。つまり、社会の喧騒から離れて独自の生き方を選ぶ人々ですね。
私は、勤め人を早期退職して、細々と独りで喫茶店のマスターをしています。「あれっ、僕って“世捨て人”?」とあるとき思いました。今日は“世捨て人”について少し考えてみます。
世捨て人といったら、西行法師(1118年~1190年)を思い浮かべます。こんな短歌があります。
『願はくは 花の下にて 春死なむ その如月(きさらぎ)の 望月(もちづき)のころ』
願うことなら、桜の花の下で春に死にたいなあ。如月(3~4月)の満月の頃に、という意味です。西行は武士の身分を捨て、世俗的な栄達や名誉ではなく、自然と無常の中に理想を求めた人ですね。
もう一人は、永井荷風(1879年~1959年)です。小説『雨潚潚(あめしょうしょう)』の一節が好きです。「これから先、わたしの身には、もうさして面白いこともない代り、またさして悲しい事も起るまい。秋の日の、どんよりと曇って、風もなく雨にもならず、暮れて行くようにわたしの一生は終って行く」。
私は自分のことを“中途半端な世捨て人”と思っています。「贅沢はしないけど、食うのに困らない」というのを旨としています。今日の切り絵は、西行法師です。
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