アジサイと心

今日の切り絵は、千葉県松戸市にある本土寺の紫陽花(あじさい)です。本土寺は関東でも有数の規模を誇る紫陽花の名所です。ウチより程近くにあるので、この時期、しばしば足を延ばします。

さて、紫陽花を詠んだ有名な詩があります。萩原朔太郎(1886年~1942年)は、詩「こころ」の冒頭で、心は「あぢさゐ(紫陽花)の花」と例えました。一部を紹介します。「こころをば なにに たとえん  こころは あぢさゐの花  ももいろに 咲く日はあれど  うすむらさきの 思ひ出ばかりは せんなくて」

作者は、紫陽花は単なる植物ではなく、人間の心の移ろいやすさや複雑な感情の象徴として描きました。紫陽花の花を「ももいろ」と「うすむらさき」という色彩で対比するによって、心の明るい時と、どこか哀しい想いの記憶に支配される時とが表現しました。

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