樋口一葉の通った質屋
今日の地味な写真は、文京区にある旧伊勢屋質店です。隠れた名所。先日、訪れました。明治時代の代表的な歌人・小説家である樋口一葉(1872年~1896年24歳で没)が足繫く通った質屋です。一葉が文筆に勤しんだのは僅か14カ月であり、まさに彼女のような人を“天才”と呼ぶのだと思います。
彼女の日記には、困窮した生活を率直に記した記述が数多くあります。なかでも有名なのは、『塵の中』(明治26年)の序文です。現代語にして紹介します。
『人は安定した収入がなければ、平静な心ではいられない。働かずに月や花を愛でる暮らしに憧れても、味噌や塩がなければ生きてはいけない。文学は本来、生活のために書くものではない。しかし、これからは文学だけに頼るのではなく、商売によって生活を立てよう』。
私は貧困を語っている文学(日記)作品が好きです。他人事に思えず、己の身の丈を振り返ると、励まされているように感じます。
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