古い映画を劇場で! チャップリンの映画「街の灯」を観た
この映画は1931年、今から82年前に作られた傑作です。古い映画を、映画館の大画面で観るのは素敵です。柏駅前のキネマ旬報シアターで観ました。チャップリンも当時、大画面で観客に観てもらいたくて作ったはずです。「当時の観客の気分が味わえるかな、新たな発見があるかな」とワクワクして出かけました。ではあらすじを紹介。
家も仕事もない放浪者チャーリーは、街角で花を売る、目の見えない娘に恋をした。彼はその娘を助けたいと思い、道路の掃除夫をしたり、できないボクシングをしたり、いろんなことをする。お金を貯めて彼女を助けたい。でも上手くいかない。そんな中、気まぐれの酔っ払いの金持ちから、チャーリーはすごい大金を貰った。チャーリーは喜んで、娘のもとに飛んでいった。そしてお金をあげると、娘はチャーリーの手を握って「ありがとうございました。ありがとうございました」と言った。
そのあとチャーリーは可哀そうに、泥棒と間違えられて、牢獄に放り込まれることになる。数年後、しおれた姿でチャーリーは牢獄から出てきた。そしてあの街角で、娘と悲しい再会をする。
娘は視力を取り戻し、花屋を開いて幸せに暮らしていた。娘の付き人の老婦人がこんなことを言った。「あの浮浪者、花が好きなようですね。一輪あげましょうよ」。娘は呼応して、花と小銭を出して、チャーリーに「あなた、これあげますよ」と言った。チャーリーは逃げようとする。みすぼらしい自分が恥ずかしいから。かつて娘にお金をあげた自分。あの頃、娘は目が見えなかった。その印象のままでいたかったから。
「さあどうぞ」。娘はチャーリーの手を握った。娘はそのとき気付いた。「あの手だ。あのたくさんのお金をくれた、あの立派な立派な紳士の手だ」。でも今、目の前にいる人は…。
何度観ても、見事な幕切れです。愛について、教えてくれますね。
「愛は、『欲しいよ』と手を伸ばすものではない」とチャップリンは今も教えてくれます。「こちらから与えなさい。見返りはいらない。相手が幸せになればいいじゃないか」と。
「結ばれなくとも、清らかな愛の終わりはあるんだなあ」としみじみ思いました。
今日の切り絵は、チャーリー・チャップリンです。
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