「定年クライシス 居場所はどこに (朝日新聞記事より)」

今週の朝日新聞の朝刊に、上記タイトルの連載がありました。『定年後の男性たちの孤立化』がテーマです。私もその世代のひとりとして興味深く記事を読みました。再雇用や定年延長で、どこが一区切りなのかもひとさまざまですが、人生100年時代のなかで、退職後にも長い人生が続くのは、多くの人に共通している現実です。学ぶことの多い連載記事でした。

第1回のタイトルは「『週3日は外に出て』と妻は言った」でした。男性の話しを抜粋して紹介します。

『「きつい話だ」と思った。でも、けんかをしても仕方がない。できるだけ外に出るようにした。コンビニで昼食用のおにぎりを買い、電車で出かけ植物園、寺や公園のベンチで昼食をとった。電車賃がかかるから、昼食代は節約せざるを得なかった。現役時代は昼ご飯を1人で食べることがよくあった。寂しさは感じなかった。でも、同世代の高齢者が孫を連れて一緒に食事をしている姿を見ると、うらやましく思うこともあった。思い描いた「退職後」とは違った』。

第5回には、退職後の男性の地域社会での様子が紹介されています。コミュニティーソーシャルワーカーの言葉です。

『(男性は)人生の多くを会社で過ごし、家には寝に帰るだけ。街に知り合いはほとんどいない。地域でコミュニティーをつくろうとしてもヒエラルキーのある競争社会で働いてきた人たちに、フラットな関係づくりは難しいようだった』。

連載の結びとして以下のような対策が記されていました。

『50歳代から「助走」を始めるのがよいのではないか。定年前の組織人とは異なる「もう一人の自分」を見つけ始める「助走」だ。

「もう一人の自分」とは5つに大別される。

①一人で企業 ②やはり組織で働く ③地域活動・ボランティア ④趣味を深める ⑤学び直し

「もう一人の自分」は、今までの歩みから発見することが多い。例えば以下の3つだ。

①今の仕事の延長線 ②子どものころに興味・関心があったこと ③病気や災害、リストラなど一見すると不遇と思える体験』

定年後の人生は長いです。そして定年前の熱量と勢いを持ち続け、後半戦を走り続けることは難しいことです。

「このくらい社会とつながりをもち、やっていこう、働こう」と考えて実行するのは大切だと思います。

そして、「居場所はどこに」と弱気になりそうになったら、「たとえ無収入になっても、人間として無価値になったわけじゃない」と自分を励ましたいと思います。

今日の切り絵は、もう見かけなくなった通勤電車です。少し前まで、頑張って走っていたのに、少し寂しいです。

おうちカフェ さんちゃん

こんにちは!「おうちカフェさんちゃん」です。皆様が気楽でのんびり過ごしていただけるお店です。季節の移ろいを丸窓から眺めながら一息つきに来てくださいね。

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