親しき仲『こそ』礼儀あり

「親しき仲にも礼儀あり」ということわざがあります。

意味:『いかに親密な間柄であっても、お互い守るべき礼儀があるということ。親しさも度が過ぎれば、かえって不和のもととなりかねない』

英語でも、それに似たことわざがありますね。

A hedge between keeps friendship green. 意味「間に垣根があると、友情は生き生きと保たれる」

私が気になるのは「親しき仲にも」の「にも」の部分です。親しいのだから心を許す部分があるのはわかります。だから「にも」なのでしょう。でも親しくもない人に「礼儀」を尽くすより、親しい人に「こそ」礼儀は尽くすべきだと思います。

先日、学生時代の剣道部の同期会の話しについて書きました。若い頃は四六時中一緒にいて、格技をしている者たちの特性なのか、強気で勝気な者が多く、ちょっとした諍いは日常茶飯事でした。

あれから40年近く経ちました。久しぶりに顔を合わせると、嬉しいことこの上ない。そして互いに気を使います。言い方を変えれば、いたわりの気持ちをもち接します。近しいゆえのけじめをつけています。

SNSの普及とともにコミュニケーションツールは格段に進歩しました。同期の20名以上でラインをしていますが、ライン上では常に丁寧な表現を使います。対面では、呼びつけで呼び合ったことしかなくても、ライン上では、例えば「…さん、…についてお知らせください」等と書くのが習わしになっています。内容も互いを慮るものばかりです。

なぜか? 多分、皆がここにある友情を一生失いたくないからです。つまらないことで相手を不愉快にさせたくないのです。

直接会えば、「お前さあ」とか「アホか」と言いながら笑い合います。そして、そのときも相手の心の柔らかい部分には、絶対に土足で踏み込まない。その人の本質にかかる部分(家族、仕事、健康、悩み事や隠しておきたいこと…)は茶化すところではなく、励ましたり、自分が力になれる部分を探すところです。だから心地よいのです。学生時代に、沢山喧嘩をしあいながら、同期の仲間たち皆で学んでいったことなのかもしれません。

自らの無作法で、親しき者を失わないようにしようと、いつも思っています。

今日の切り絵は、「親しき仲『こそ』礼儀あり」です。

おうちカフェ さんちゃん

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