映画『探偵マーロウ』を観て
映画『探偵マーロウ』を観ました。タフでダンディーでジェントルマン。権力に媚びず、信念を貫く。ハードボイルドという言葉を確立させた探偵フィリップ・マーロウ。作家レイモンド・チャンドラー(1888年~1959年)が作り出したこの人物は今もなお、世界中の多くのファンを魅了しています。今日は6月12日のブログ『ハードボイルド』の続編です。まずは映画のあらすじを紹介します。
1939年、アメリカ・ロサンゼルスに事務所を構える探偵フィリップ・マーロウは、仕事の依頼もさほど入らず、孤独な日々を過ごしていた。そんなある日、裕福そうなブロンドの美女クレアが事務所を訪ねてきた。「突然姿を消したかつての愛人ニコを探してほしい」と言う。依頼を引き受けたマーロウだったが、情報収集で出向いた警察署で知らされたのは、映画業界で働いていたニコは、ひき逃げ事故で既に死んでいるという事実だった。マーロウはクレアの真意を確かめるため、邸宅を訪れる。「君は嘘をついていないか?」。クレアの答えは「街でニコを見かけた。もう一度調べてほしい」というものだった。マーロウはニコの死に疑念を抱くが、調査をすすめる彼の前に姿を現したのは、映画産業が急成長するハリウッドに蔓延する、権力者たちの巨大な闇だった。「ニコは生きているのか?」、「この事件に関係する人たちは皆、嘘をついているのではないか?」。探偵マーロウが辿り着く真実とは。
いやはやリーアム・ニーソンが演じる初老の探偵フィリップ・マーロウが最高に格好良かったです。
○ ハイドボイルドな探偵の仕事上のルールは以下の通りでした。
・離婚問題は引き受けない ・金銭の誘惑に負けず筋を通す ・屈強ではないが、必要とあらば暴力も辞さない ・服装に金をかける余裕はないが、帽子とスーツとトレンチコートは常に着用する
○ フィリップ・マーロウが残した歴史的名言は以下のとおりです。この映画でも、詩心溢れる気の利いたセリフや洒落た比喩がふんだんに使われていました。
・「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」(『大いなる眠り』)
・「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」(『プレイバック』)
・「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」(『長いお別れ』)
次はフィリップ・マーロウの嗜好について書きます。彼はチェスをするのが好きです。珈琲とスコッチウイスキーとタバコをこよなく愛します。今回は最後に、タバコについて書こうと思います。
映画を観ていて「マーロウのタバコの吸い方は格好いいなあ」と惚れ惚れしました。緊張が解けたあとに、一服つける仕草が何とも魅力的でした。
さて、ここからは私事です。私は2年位前にタバコをやめました。「おうちカフェさんちゃん」の店内も禁煙です(喫煙所はあります)。しかしタバコをやめたとき、心に決めたことがあります。それは「タバコの存在を疎んじたり、目の敵のように扱うことはしない」ということです。「タバコに、さんざん世話になってきたのに、手のひら返しみたいなことをするのは、ハードボイルドの精神に反する」と思ったのです。「旧友は、状況が変わっても友だち」というのかな。それがタバコに対する私のルールです。
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