ノゲイトウ(通称:セロシア)
散歩の途中に見つけた花です。ニワトリの頭のような形状(鶏頭)の「トサカゲイトウ」の印象があり、「ケイトウは苦手」という人もいますが、今回はその種のなかでも、一風違う形状をした「ノゲイトウ(通称:セロシア)」です。「ノゲイトウ」は細い花序を縦長に伸ばし、茎に動きがあり繊細なイメージがあります。花屋さんでは「セロシア」という名前で売られていることも多いです。
「ケイトウ」を題材にした俳句といえばこれですね。
「鶏頭の 十四五本も ありぬべし」(作者 正岡子規)
(読み方:けいとうの じゅうしごほんも ありぬべし)
(意味:鶏頭が十四、五本くらいあるに違いないだろう)
子規の最晩年に詠まれたこの句は、闘病生活の辛さが伝わると言われます。死を目前に「目の前で咲く鮮やかな赤い花は来年も咲いているだろうか」と考えたのではないかと言われています。
この句については鶏頭論争というのがあります。当初、この句は評価されませんでした。私もそう思います。「鶏頭が十四、五本くらいあるに違いない」と言っているだけですから。でも長塚節が「この句がわかる俳人は、今は居まい」と言ったことから論争が始まります。斎藤茂吉も「芭蕉も蕪村も追随を許さぬ傑作」として評価しました。評価って難しいですね。今では中学校の国語の教科書にも載っています。
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