『名探偵ポワロ』について
もうすぐケネス・ブラナー監督・主演で映画「名探偵ポアロ」最新作が公開されます。今日はエルキュール・ポワロの話しです。彼はミステリーの女王、アガサ・クリスティが生んだ世界に誇る名探偵です。
小説で、ポワロはこのように表現されています。「風変わりな小男だ。背丈はおよそ160cm程度だが、物腰は実に堂々としている。頭の形はまるで卵のようだ。口髭はぴんとはねあがっている。身だしなみに驚くほど潔癖で、埃ひとつついただけでも、銃弾を受けたように大騒ぎをする」。
そうポワロは、潔癖症気味な性格の奇特な人です。
彼は祖国・ベルギーへの愛国心が強い人です。ベルギーを馬鹿にされると怒ります。またベルギーの母国語がフランス語であることからフランス訛りの英語を喋りますが、フランス人と勘違いされると怒ります。ポワロはイギリスに住んでいます。世界的に有名な探偵として扱われるのに、そんな尊敬を受ける人でも、些細なことで、外国人として差別されていると感じ、落ち込みます。
彼は自身を「世界最高の名探偵」と自負し、誰もが自身のことを知っているという自惚れ屋です。
また、「秩序と方法」をモットーとし、曲がったことは嫌いです。整理・整頓を怠らず、少しでも物の配置が曲がっていたりすると直さずにはいられません。
彼の洞察力や推理力は凄い。原作やドラマを見ていて、いつも感嘆します。彼の推理の特徴として、物的証拠より事件関係者の「心理」に重点を置きます。彼の捜査は、関係者一人一人との尋問や対話に重きを置き、その会話の内容から、容疑者の思考・行動を推察します。そういう心理的推理と物的証拠を組み合わせ、事件を解決します。
作者のクリスティはポワロを嫌いだったと言われています。プライドが高く、ややこしい性格で、高慢なキャラを描くのに嫌気がさしたのでしょう。ちょっと可哀想。でも彼は一生懸命に事件を解決します。私はそんな彼を愛おしく思います。
今日の切り絵は、テレビドラマ版のポアロのデヴィッド・スーシェです。私は彼が演じるポアロが大好きです。
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