金木犀の香り

金木犀は、柔和で甘い香りです。この時期、可憐な花を咲かせて、私たちは「ふわっ」とその香りに包まれます。下記の短歌を思い出します。

『ゆっくりと 私は道を 踏みはづす 金木犀の かをりの中で (作者 笹井宏之)』

季節が変わり、その時期の花の香りを久しぶりに嗅ぐとき、時の移ろいを意識し、新しい自分が始まるような気がします。この歌で、私が興味深く思う箇所は「ゆっくりと私は道を踏み外す」というところです。どんな道から外れるのだろうと思います。

作者の笹井宏之さんは新進気鋭の歌人として注目されていましたが、15歳の頃から身体表現性障害という難病で寝たきりの生活になっていました。そして2009年、26歳のとき、インフルエンザから来る心臓麻痺により亡くなりました。新聞の読者文芸には「名前が載ると、じいちゃん、ばあちゃんがよろこんでくれるから」と投稿を繰り返していた優しい人物だったそうです。彼はどんな気持ちでこの短歌を詠んだのでしょう。

おうちカフェ さんちゃん

こんにちは!「おうちカフェさんちゃん」です。皆様が気楽でのんびり過ごしていただけるお店です。季節の移ろいを丸窓から眺めながら一息つきに来てくださいね。

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