「幸福論」(著 アラン 本名 エミール・シャルティエ 1868~1951)について

先日、フランス映画『落下の解剖学(監督 ジュスティーヌ・トリエ)』について書きました。この映画は、夫婦の激しい口論や、家族の不幸について、長い時間を割いて描いていました。

夫婦喧嘩のシーンを観ながら、私が思い出した本は、フランスの哲学者、アランが1925年に書いた名著『幸福論』でした。今日取り上げるのは、この本です。タイトルの通り「人はどうしたら幸福になれるのか?」について書かれています。

難解な本ですが、印象に残っている部分を平易に、抜粋して紹介します。

「幸福の秘訣のひとつは、自分自身の不機嫌に無関心でいることだ。これこそがもっとも重要な要素だ。自分の不機嫌、怒り、悲しみから身を引き離すことだ。不機嫌に身を任せる人は、たちまち不幸で意地悪になる。人には、自分以外にはほとんど敵はいない。自分の間違った判断や杞憂、差し向けられる悲観的な言葉によって、絶望的な気分になる、道徳的に生きるのに、最も大切なことは何かと聞かれたら、私は、上機嫌にしていることと答えるだろう」

アランは幸福になるために大切なことは、不機嫌になりがちな心を自分で制御することだと言いました。確かにそのとおりだと思います。不機嫌さで周囲をコントロールしようとする人がいます。「今、私は不機嫌中だから、気を使うように」と態度に出す人です。迷惑この上ありません。周り人の気持ちも沈んでいきます。そしていつか、その人は手痛いしっぺ返しを受けます。

幸福論とは自分の心のコントロールです。

今日の切り絵は、うれしそうな女の子です。

おうちカフェ さんちゃん

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