庭の都忘れが咲いた!
今日の写真はウチの庭に咲いた都忘れです。なんとも美しく、哀しい名前の花ですね。
都忘れについては、鎌倉時代の天皇、順徳上皇(1197-1242年)の作ったこんな歌が有名です。
『いかにして 契りおきけむ 白菊を 都忘れと 名づくるも憂(う)し』
意味:なんという巡り合わせなのだろうか。父の愛した白菊を『都忘れ』と名付けてみても、悲しい心は晴れないままだ。
都忘れとは、順徳上皇が名付けた花なのですね。こんな歴史的背景があります。彼は1221年に父の後鳥羽上皇とともに鎌倉幕府に対して挙兵しましたが、大敗。順徳上皇は佐渡島に配流されました。父の後鳥羽上皇は隠岐島へ配流されました。「承久の乱」ですね。貴族政治から武家政権への転換を決定づけた戦いです。
佐渡に流された順徳上皇は毎日、都を恋しく思って悲嘆に暮れました。この地に咲く可憐な白い野菊に、心を慰められました。菊、とりわけ白菊は父の後鳥羽上皇が愛した花です。順徳上皇は、その花を住まいの周辺に植え、「都忘れ」と名付けて、慈しみました。
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