「行ってきます」と「行ってらっしゃい」

「行ってきます」、「行ってらっしゃい」、「ただいま」、「お帰りなさい」。家族や職場など共に時を過ごす人がいる場合、欠かしてならない挨拶です。疎かにしていると、関係にすきま風が吹くと思います。

さて、私たちがこの言葉を使うようになったのは、明治以降のことだといわれています。それまでは、同じ意味で「行って参ります」を使っていたそうで、それが変化して、「行ってきます」となりました。日本人は、古くからこの言葉を大切につかってきました。

「行ってきます」は「私は今、この人と同じ空間にいる(暮らしている)(同じ職場などにいる)」という感覚から発する言葉です。

行ってきますは、正しくは「行って来ます」と書き、「行きます(が、必ず帰って)来ます」という言葉を省略したものです。大昔に「行って参ります」が使われていたのは、昔は旅をすることも命がけだったのでしょう。「行って参ります」と言うことで、大切な人に対して「必ず帰ってくる」という誓いを立てていたのかもしれません。また送り出す側は「行ってらっしゃい(無事に行って、帰っていらっしゃい)」と言うことで、相手の誓いに対して思いを重ねていた。挨拶を通じての、祈りですね。

また「行ってきます」は、時代によって伝え方が変化したそうです。戦争中は、出陣の際に「行ってきます」や「行って参ります」とは言わず、「行きます」と言ったそうです。国のために、必ず戻るという言葉がはばかられ、そして戻ることを約束できなかった時代背景が、この言葉から伝わってきます。

ちなみに「行ってきます」、「行ってらっしゃい」という言葉があるのは日本だけで、この言葉を意味する英語はありません。[I'll be back.]では日本語の情緒は伝わりません。

今日の切り絵は、見送る犬です。

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おうちカフェ さんちゃん

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