映画『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』を観て

(あらすじ)

第二次世界大戦初頭、サルヴァトーレ・トーダロはイタリア海軍の潜水艦コマンダンテに艦長として潜航していた。1940年10月の大西洋航行中、貿易船のシルエットが夜の暗闇の中迫ってきた。それはベルギー国籍の船だった。イギリス軍の武器と軍需品を積んでおり、突如潜水艦に向けて攻撃を仕掛けてきた。短くも激しい衝突が起こり、潜水艦コマンダンテが、貿易船を大砲で沈めた。その際、艦長は、放っておけば海で溺れ死んだであろう26名の生き残ったベルギー人を、国際海洋法に従い救助して、近くの安全な港に降ろしに行くという歴史的決断をした。

彼らを乗艦させることで、3日間敵から視認されてしまう海面上を航行しなくてはならなくなった。それは自らの命と船員たちの命を危険にさらすことだった。

助けられたベルギー人の船長は、安全な島で下船したとき「なぜ危険を冒してまで救助してくれたのか」とサルヴァトーレ・トーダロ艦長に尋ねた。彼は「イタリア人だから。私の中には二千年の歴史が血肉となって流れている」答えた。その言葉はのちに伝説となる。

(感想など)

戦争映画ですが、この作品は激しい銃撃戦などは描かれておらず、海で生きる男たちの人間ドラマでした。戦争は国同士の戦いですが、戦う相手は人間です。そして人間には心があります。死ぬために戦うのではなく、生きるために戦うのです。敵国の人たちを見捨てず、手助けをし、港まで運ぶことは、船長の苦渋の決断であったはずです。艦長の人間性でしょう。

枢軸同盟のドイツ、イタリア、日本、そして連合国の英国、米国のなかで、最も戦意の欠けていたのはイタリア軍だったと言われます。この映画で、艦長の最後の言葉が示すような国民性だと思います。こんな言葉もありました。「ドイツは群れで襲うが、我々は違う。我々はイタリア人だ。我々だけで戦う。王も、大いなる権威もなく、総帥の導きもないが、私がいる」。

日本では『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』ですが、イタリア・ベルギーでの原題は『コマンダンテ』です。コマンダンテとは指揮官という意味です。この映画は、どこの国に属するというより、個人の判断や人間性について語っていました。どんな国にも崇高な国民性はあります。

「強い人」とはどんな人なのでしょう。弱った状況に陥ったひとりを救った者は、誰でも、人類の救世主になる可能性があります。

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