大学入試共通テスト(2025)の国語の出題:論語
昨日の1月19日(日)の新聞で、共通テストの国語の問題に目を通していたら、「論語」からの出題がありました。
今日は、出題された「論語」の一節について、紹介します。個人的にも好きな文です。
(漢文) 子曰、賜也、女以予爲多學而識之者與、對曰然、非與、曰、非也、予一以貫之。
(書き下し文) 子曰わく、賜(し)や、女(なんじ)予(わ)れを以(もっ)て多く学びてこれを識(し)る者と為すか。対(こた)えて曰わく、然(しか)り、非(ひ)なるか。曰わく、非なり。予(わ)れは一以てこれを貫く。
(現代語訳)
孔子先生が言いました「子貢よ、君は私が多くを学び、それら全てを理解していると思っているの?」。
子貢が答えました「はい、そう思っています。違うのですか?」。
孔子「違うよ。私はただ一つの事を追い求めているだけだよ」。
(文の趣旨)
多くを学び、何でも知っている孔子の姿を、弟子の子貢は「その通り」と思っています。これを孔子は否定しました。「知識も大事だが、それよりも大切なものがあるだろう?」言うのです。
孔子が、ただ一つ追い求めているのは、「仁」です。知識や学びは「仁」を以て行動することで意味をもちます。そして、「仁」の無い「知」は存在しないし、「知」より「仁」が勝ると言いたいのでしょう。
大学入試共通テストを受けて、これから大学生になろうとしている若者に、学ぶ意義を問う出題をしています。出題者の良心を感じました。
今日の写真は、以前、長崎県に行ったときに写した、「孔子像」です。
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