庭の小さなボケの花
『ボケの花』。花なのに、あんまりの名前だなあと思います。
果実の形が瓜(うり)に似ているところから、木になる瓜として木瓜があてられ、その音読みから毛介(もけ)、それが、いつしか『ボケ』に変わったそうです。
さて、夏目漱石の俳句にこんなのがあります。
「木瓜(ぼけ)咲くや 漱石拙(せつ)を 守るべく」
明治時代の文豪、夏目漱石はボケを愛しました。彼の小説『草枕』にも、こんな文があります。木瓜の花の描写が独特で、そして意味深い内容です。
『木瓜は面白い花である。枝は頑固で、かつて曲った事がない。そんなら真直かと云うと、けっして真直でもない。(略) 木瓜は花のうちで、愚かにして悟ったものであろう。世間には拙を守ると云う人がある。この人が来世に生れ変るときっと木瓜になる。余も木瓜になりたい。』
「拙を守る」とは、「目先の利に走らず、不器用でも愚直に生きる」ということです。漱石は「余も木瓜になりたい」と綴るくらいですから、「愚直に生きる」ことへの思いが強かったのだと思います。
私も(名前はあんまりだけど)、生まれ変わったら、ウチの庭に咲く、ボケの花になりたいと思います。
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