千葉県流山市にある「一茶双樹記念館」を訪れた②
昨日に引き続き、小林一茶について書きます。今日の写真は、「一茶双樹記念館」内にある、双樹邸の客室“おくのま”です。一茶はしばしばここに滞在していました。
一茶は生涯で、2万句以上を残しています。凄い数です。その中には『やせ蛙 負けるな一茶 これにあり』や『我と来て 遊べや親の ない雀』、昨日紹介した『夕月や 流れ残りの きりぎりす』のように小動物を題材にしたものが多いです。わかりやすく、温かく、そして親しみやすいものが特徴です。同じ江戸時代に活躍した松尾芭蕉や与謝蕪村の句とは、違った魅力に溢れています。
では、実際の一茶はどういう人だったのか? これは興味深いです。句に現れる素朴さとは一線を画す、人間臭い人だったそうです。生活を安定させるために、有力者や金持ちとの関係を大切にしました。遺産相続のために、実の兄弟を相手取り、骨肉の争いも仕掛けています。でも当時、芸術一本で生き抜くために、一茶は逞しく知恵を絞ったのでしょう。否定される生き方ではないと私は思います。
残した2万句のなかには、凡句、駄作も結構あると言われています。これは仕方ないですね、呼吸をするように生み続けたのですから、そうなると思います。そして「小動物への愛が溢れる秀句が多い」という評価も正鵠を射るものではないと思います。彼にとっては、小動物もその他も区別なく、目の前にある万物を俳句にしたいと思っていたのでしょう。そうでなければ2万句も書けません。五七五の僅か17文字を組み合わせて、奥行きのある世界を構築する芸術ですからね。
一茶は風狂の人だったに違いありません。そして、いつもいつも「今日は何を書こうかな」と俳句について考えていたと思います。
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