無常といふ事

文芸評論家の小林秀雄(1902年~1983年)が書いた「無常といふ事」という有名な評論を読んだことがありますか。僅か4ページの短い文です。そして格別に難解です。高校生のとき、初めて読んで、さっぱりわかりませんでした。最近、読み返したのですが、やっぱりわかりませんでした。でも、今回は少し粘って格闘しました。200文字程度でまとめると、こんな感じだと思います。

『歴史は新しい見方や解釈などという思想にやられるような脆弱なものではない。多くの歴史家が一種の動物にとどまるのは、心を虚しくして思い出すことができないからだ。思い出は僕らを一種の動物であることを救うため、上手に思い出すことが現代における最大の妄想から逃れる唯一のやり方である。無常は人間のおかれる一種の動物的状態であり、それへの気づきである。常なるものを見失った現代人は、その事を分かっていない』

ねっ、難しいでしょ。さて、人は文章を読んでいて、はっとする表現を出会うと幸せを感じます。私は小林秀雄の「無常といふ事」のなかの以下の文がとても好きです。

『上手に思い出す事は非常に難しい』。

もう過ぎ去ったこと、もう会えなくなった人を、上手に思い出すことはとても難しいです。でも、それは、とても大切なことだと思います。

今日の写真は、本棚から取り出した古い本です。『全集・現代文学の発見』。発行が1968年です。当時の現代文学の全集の一冊です。全16巻、面白いです。

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