映画『さよならはスローボールで(英語原題 EEPHUS)』を観て

(あらすじ) 地元で長く愛されてきた野球場<ソルジャーズ・フィールド>は、中学校建設のために、もうすぐ取り壊される。毎週末を過ごしてきたこの球場に別れを告げるべく集まった草野球チームの面々。言葉にできない様々な思いを抱えながら、中高年の男たちは“最後の試合”を始める…。

(感想など) 「今日を最後に、もうこの球場に集まり皆で野球をすることはない」。この事実は覆せないが、彼らはいつも通り野球を楽しみます。やがて日が暮れ、審判が帰宅し、持ってきたビールもぬるくなり、ボールが見えなくなっても、今を終わらせたくない…。そんな男たちの、誰もが感じたことのある“過ぎ行く楽しいひと時“へのセンチメンタルな一日を描いている映画です。

白熱した試合展開とか、目の覚めるプレーとか、努力が報われるなどと、全く無縁の野球映画です。中高年の男たちの突き出たお腹、もたつく足、空を切るバット…。彼らは、ビール片手にヤジを飛ばしながら、ダラダラとひたすら大好きな野球に興じます。「疲れたからもうピッチャーやらない」とか「暗くなったから家に帰る」のわがままも許されます。観客なんてほとんどいないのに、なぜかスコアブックをつけているおじいさんがいたりして。主人公もいないし、劇的な物語もない映画です。

でも、凄く感動しました。草野球に興じたことのある多くの人は、同じ感想をもつと思います。「彼らが羨ましいなあ」と思いました。子どもの頃に味わった、とても緩やかな結束。同じ時間、同じ場所に集まることの幸せ。あの頃のメンタルのままに、親父たちは野球を楽しんでいたのです。

小学校時代、草野球に興じていた頃、実に色んなことを学びました。「こいつ、チームをまとめようとして、立派だなあ」とか、逆に「こいつ、なんてやる気がないのだろう」と様々なことを目にしました。そして、「世の中とか、個人の人生観って、そんなものだな」と大人になって再確認しました。

英語原題の“EEPHUS”とは“イーファス・ピッチ”のこと。山なりのホンワリとした軌道の球筋のことです。歳をとれば、誰でも“イーファス・ピッチ”しか投げられないけど、人生を楽しみたいです。

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