映画『盤上の向日葵』を観て

(あらすじ)  山中で謎の白骨死体が発見される。事件解明の手掛かりは、遺体とともに発見された世界に7組しか現存しない希少な将棋の駒。容疑をかけられたのは、突如将棋界に現れ、一躍時の人となっていた天才棋士〈上条(かみじょう)〉だった。さらに捜査の過程で、上条の過去を知る重要人物として、賭け将棋で裏社会に生きた男〈東明(とうみょう)〉の存在が浮かび上がる。上条と東明のあいだに何があったのか? 謎に包まれた上条の生い立ちが明らかになっていく。それは、想像を絶する過酷なものだった…。

(感想など) 「過酷な人生でも、裏切られても、傷ついても、最後まで生ききれ。運命さえも覆せ」。そんな力強いメッセージは感じさせてくれる映画です。重厚且つ見所の多い作品でした。

将棋のシーンは圧巻です。賭け将棋で生きてきた〈東明(渡辺謙)〉と〈兼崎(柄本明)〉の命を賭した真剣勝負は、特に凄かったです。将棋だから動きはほとんどない。だけど、互いの形相、駒を盤に叩きつける音、闇の稼業の者がもつ内面から溢れ出る歪んだ執念と所作が、観る者を釘付けにします。

題名の『盤上の向日葵(ひまわり)』は、名画:ゴッホの「ひまわり」を意識したものでしょう。向日葵畑のシーンが頻繁に登場します。ゴッホは絵の天才だったけど、狂気を感じさせる人だった。光に満ちた素晴らしいひまわりの絵(映画内では「登場人物の将棋の技量」)と、日の当たらない影の部分(映画での登場人物の生き様)を暗喩していました。光が鮮やかなほど、闇は一層暗くなります。

主人公の〈上条(坂口健太郎)〉は、〈東明〉と縁を切ろうとするができません。なぜか。それは将棋と縁を切れないからです。彼らは将棋の天才であり、それがなくなったら、自分が空っぽになると知っているから、その生き方しかできません。

この作品では、種々の人間関係が描かれます。様々な愛と憎しみが描かれます。人は誰かを、深く愛したことがあるゆえに、深く憎んでしまうことがあるのかもしれません。そして時によって、愛と憎しみはグルグルと変わるものなのかもしれない。詳しくは映画をご覧ください。

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